
遊園地跡地のメンバーも、それぞれの生活へ、新しい物語へ、踏み出した足を、轟然と前に前に疾駆させたり、もつれさせたり、片方だけでバランスを取ってみたり、ぴょんぴょん飛び跳ねたり、いろいろしているみたいです。
820製作所史上いちばんたくさんの仲間とともに、いちばんおおぜいの仲間や友人や先輩や愛すべき人たちに支えられながら、いちばん多くのお客様方に観ていただいた公演でした。
お越しいただいた皆さま、ありがとう。この稽古場ブログを追いかけて、のぞいてくださった皆さま、ありがとう。応援を寄せてくださったあなたに、ありがとう。
遊園地跡地を彩った、個性豊かなメンバーにも、ありがとう。
この場所もこれでおしまい。僕たちも胸をはって次へむかいましょう。
(と、言いながら、この記事のあとにあわてて誰かにまた締めの言葉を更新してほしい、できることならそれがゆっきーであってほしい)
劇場をあとにしたその日、ようやく僕は封印していたカセットテープを再生しました。
あのころ、繰り返し聴いて耳になじんだ、彼らの荒い音と衝動が、ひたひたと胸を沈めていきます。
ひとむかし前なら窒息していたような青い水の底で、しかし僕たちはコポコポと愉快そうに笑って、吐いた泡が水面に波紋を広げていくのを見あげて、それからまた、ここからでは視線の行き着かない暗い深みへと、ズンズンおりていこうと思います。
そうそう、テープの終わりに収められていた、歌のない短い曲の旋律が、あれ、これ最近どこかで聴いた気がするな、そういえば搬入のときカーラジオから流れていたような、と気づいて、調べてみたら、なんとなんとメロウタイガー、名前を替えて絶賛活動中でした!
おお……、かっこわるい。
でも、そのかっこわるさを引き受けようか。
バンドの名前は教えない。言うもんか。
曲を聴く限りではね、荒々しさと凍えるほどの感傷は健在で、まだまだ彼らは彼らの見遙かす物語のなかで、終わりのない抗いを続けているみたい。
きっとあなたの耳にも届いているよ。
あなたを取り巻くノイズの渦をかきわけて、眠れるメロウタイガーのやさしい唸り声が響きますように。
そいじゃまた。
また会おうね。
あいしてるぜ。
まじでまじで。
820製作所/波田野淳紘






